しじみの貝がら

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【レビュー】劇場版第1作GHOST IN THE SHELLと劇場版第2作イノセンス

押井守監督の攻殻機動隊作品である「GHOST IN THE SHELL」と「イノセンス」を見ました。

 

率直に言うと、よく分からないけど凄かったです。

 

前回の記事で「テレビアニメ版攻殻機動隊の真の主人公はタチコマであり、タチコマによって本作品をSFたらしめている」的なことを言いましたが、あながち間違いではなかったようです。なぜかというと、そもそも劇場版ではタチコマが登場しません。それでは、「機械に魂(劇中の言葉を用いるなら「ゴースト」)は宿るのか?」のようなSF的問題に回答できないのではないか?そこで、少佐たちの出番です。つまり、テレビアニメ版におけるタチコマたちが求めようとした答えは、劇場版では主に少佐やバトー、事件の関係者によって語られることになったのです。ただ、その回答の仕方が本当に難解で…。なぜ難解なのかというのを作品に沿って考えるならば、以下の設定があるからです。つまり、キャラクターたちは外部記憶にデータを置いておくことで、それをあたかも自分で記憶しているかのようになり、そこから自由に情報を引きだせるということです。しかし。その作品を見ているぼくたちには当然「外部記憶装置」など付いていない訳で…。そのため、キャラクターたちによる文学作品や学術書などからの引用の嵐に遭うわけです。この「一見さんお断り」的な雰囲気が、Amazonをはじめとするレビューで賛否両論となっている所以でしょう。視聴後に何か本を読もうかなってなったときに、悩む必要が無くなるという意味では良いことかもしれませんけどね。

 

テレビアニメ版と劇場版で特に変化が大きかったのはバトーです。テレビアニメ版では脳筋で事件にあたっていくキャラなんだと自分では把握していたんですが、劇場版では妙に色々考えてるオッサンになってて少し面白かったです。

 

以上のような訳で内容に関しては、再視聴しないと詳しく述べていくことは難しいな、といった現状です。ただ、そのような難解なセリフ回しの中にも、テレビアニメ版でも見られるような「攻殻機動隊的」エッセンスが散りばめられていて、「SF的アクションも良いけど、こういう内容についても考えていきたいよね」と思わせられるだけの迫真さが感じられました。

 

ここまで作品の内容面について話してきて、正直なところ現段階では評価しかねる訳ですが、ここでグラフィック面に目を向けると一転、アニメーションという創作技法の無限の可能性を垣間見ることになります。第1作目は1995年、第2作目は2004年に公開されたということですが、どちらも空間の密度が半端じゃないです。本当に緻密で、テレビアニメ版よりは制作に比較的時間をかけられると思われる劇場版ならではの超ハイクオリティで、感動しっぱなしでした。また、絵柄についてですが、攻殻機動隊はリアル志向の絵柄なので、わずかに古さを感じはするものの、デフォルメが多く加えられた作品群に比べると、今でも十分視聴に堪える絵柄となっています。

 

と、今までテレビアニメ版から劇場版をレビューしてきましたが、まだ完全には攻殻機動隊の世界観を理解しきっているとは言えなさそうです。TVアニメ版は話数が膨大なので何度も何度も視聴するには厳しいところがありますが、劇場版についてはどちらも2時間以内とコンパクトですし、何度も見ていきたいなあ。興味が向けば原作や、ARISEなども見ていきたいところですね。