しじみの貝がら

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【感想・レビュー】トッド・ブラウニング監督のフリークス(怪物園)

少し前になるが、トッド・ブラウニング監督の『フリークス』(あるいは、『怪物園』)を見てみた。

この映画はいわゆる「カルト映画」として紹介されることもあるようで、自分がこの映画の存在を知ったのも多分そういう類の紹介からだと思う。たしか、雑誌『映画秘宝』のカルト映画特集で知った。


そこで、今回はこの『フリークス』についてあいまいな記憶をたよりにゆるく感想を書いていく。


以下、ネタバレ注意!

 

【はじめに】
Yahoo!映画(および、allcinema ONLINE)の情報によると、トッド・ブラウニング監督の『フリークス』は1932年制作で、原題はFREAKS、NATURE'S MISTAKES、あるいはTHE MONSTER SHOWであるらしい。

詳細は次のURLを参照
https://movies.yahoo.co.jp/movie/4260/

 

【感想】
上記URLの「解説」には「失神者が続出」や、「妊婦が流産」、「問題作」といった過激な言葉で紹介されており、さらに「古典ホラー」という文字まである。
しかし、この映画は決してホラーではない。
たしかに「本物の奇形・異形の人間」つまり身体的に特徴のある人々が多数登場するが、その外見から、この映画をホラーとするのは差別でしかない。
むしろ、本作品は、例えば小人のハンスをはじめとする登場人物たちの美しく人間味のある心遣いと、美女クレオパトラをはじめとする悪役たちの欲にまみれた醜い感情との対比が映える人間ドラマだと感じた。

 

本作品を見ると、おなじく身体的に特徴のある人々が登場する『グレイテスト・ショーマン』とどうしても比較してみてしまう。
グレイテスト・ショーマン』の音楽などは素晴らしかったが、物語の展開的に主人公の性格(たとえば、今までサーカスを一緒に作り上げてきた仲間を見捨てて人気女優と興行するところ、など)にどうしても違和感を感じてしまい、素直に主人公に共感することができずにいた。最終的に、主人公は今までの仲間たちとヨリを戻して奮闘するという。


ぼくは「フィクションなんだから何でもアリ」だと基本的には考えているが、人間心理だけはたとえフィクションでも嘘をついたりご都合主義的に展開させてはいけないと思う。そうでないと、登場人物たちに共感できず、その行動の理由も納得できなくなってしまうからだ。
この点、『フリークス』は心理描写はしっかりとしており、各々の登場人物の心理やそこから発生する行動が納得できるものとなっている。制作された年代的に映像や音質のクオリティは確かに劣るが、そのように登場人物が活き活きとドラマしているからこそ、今に伝えられ続けている映画なんだろうと思う。

 

話がとびとびになったが結論からすると、『フリークス』は人間ドラマにあふれ、見る価値のある素晴らしい映画だった。